高速バス・観光バスのレポ、バリアフリー化計画と乗降性の向上

高速バス・観光バスのバリアフリーを検証する

増えるリフトつき観光バスの状況、工夫を凝らした着脱式リフト、車椅子用トイレつき観光バスの現状を解説しています。
また、CADデータを使用して、バリアフリー化の検証を行っています。

増えるリフトつき観光バスの状況をさぐった

車椅子の人たちにも観光旅行の機会をと、近年、一般貸切観光バスのリフト装備車も増えてきました。
旅行業者のチャーターの形では過去にも全国で数台が存在したが、最近はバス事業者が独自で導入するケースが目立ちます。

ハイデッカーまたはスーパーハイデッカーの中央部または後部にドアを設置し、ハイデッカー用の大型リフトを装着するもので、車内には2脚の車椅子をそのまま固定することができます。
操作は基本的には路線タイプと同じだが、ステップリフトではなく床下に収納されたリフトが昇降します。

中央交通などではリフトが斜めに昇降するタイプを採用しています。
これまで簡単に旅行が楽しめなかった障害者にとって福音と、障害者団体などの評価も高くなっています。

工夫を凝らしたリフトつき観光バスが増えている

車内に車椅子5脚まで折り畳まずに乗せられるリフトつき観光バスを導入するケースも増えています。
リヤオーバーハングにリフトを設置、車内は右を通常の2人掛けシート、左を幅広の1人掛けシートとし、左の後部5席をワンタッチ着脱式として車椅子を固定します。

通路も車椅子がそのまま移動できる幅を確保し、フラットな床構造として車椅子をシート脇まで移動させ、そのまま人だけシートにスライドできるようにもしています。
左側の2人掛けシートをすべて着脱式にして最大10脚の車椅子をそのまま乗せられる観光バスを導入、ヘルパー資格者が運転を担当している会社もあります。

リフトはハイデッカーの中央に装備され、シートは床に敷かれたラックレールにボルトで止められています。
乗車する車椅子の台数にあわせてシートをはずすことができます。
同車の最後部シートは、横臥せざるをえない障害者や病人でも利用できるよう、左右1連のシートで座面は広く平らに造られています。

車椅子用トイレつき観光バスが一番人気だ

国内観光バスで保有しているリフトつき観光バスに、日本で唯一と思われる車椅子用トイレつきバスがあります。
西日本車体のC-1型ボディのハイデッカー(三菱シャーシ)リヤオーバーハングにリフトを装備しています。

リフト付き観光バスに装備されている車椅子固定スペース

リフトは観光バスに装備する一般的な形状ですが、後部は車椅子固定スペースとして座席はつけておらず、車椅子4脚がそのまま固定できます。
普通座席定員は30人となっています。

車椅子用トイレは後部右側、リフトのちょうど向かい側に設置されています。
トイレの出入口は通路側で、アコーディオン型の扉がついています。
客室とトイレから後ろをアコーディオンカーテンで仕切ることもできます。
右側にトイレを設置した関係で、非常ロは右側中央に移っているのが外観上の特徴です。

車椅子用トイレつき観光バスの特徴

・各地で増加傾向にあるリフトつき観光バスは、中央にリフトのついたスーパーハイデッカーです。
・観光バスの車内には、リフトのある左側は1人掛けシートで通路部分に車椅子を固定します。
・スーパーハイデッカーのリヤオーバーハングにリフトを装備したタイプも多く、リフトの形状、操作はいずれもはぼ同じものです。

・バスの車内は、左側1列の1人掛けシートのうち後部5脚をはずし、車椅子を固定できます。
・ハイデッカーの中央にライコン製リフトを装備しており、リフトは広く安定性があります。
・バスの車内は、左側のシートは2人掛けだがすべてはずして車椅子スペースをつくることができます。
 ラックレールに固定器具を取り付けることもできます。

・イーグルバスの最後部席は、座面を広くして実質べッドのようにすることができます。
・ハイデッカーのリヤオーバーハンクに設置された車椅子用リフトが付いています。
・バスの車内は、普通シートの後部に車椅子固定スペースがあり、最後部が車椅子対応トイレになっています。

・観光バスの車椅子対応トイレは、アコーディオンカーテンで仕切って使用します。
・中扉の一般出入口の階段に沿って斜め昇降型の車椅子用リフトを装備したものもあります。

観光バス・高速バスの乗降性を高める方法

中扉に、シートに腰掛けたまま昇降できる斜行式昇降リフトを付けた観光バスも出始め、階段の昇り降りがしにくい高齢者にも乗りやすくなりました。

また、近年の観光バスモデルでは前扉ステップのニーリングも設定され、採用事業者が多くなっています。
補助ステップを設けるケースもあって、観光バスにもバリアフリー化が進みはじめています。

しかし、観光バス・高速バスのつくり自体はバリアフリーの考え方がなかったころから変わっておらず、特に乗降口付近は高低差のある段差が数多く存在するばかりです。
通路幅も狭く、近年利用の主体となりつつある高齢者にとってもけっして乗りやすいとはいえません。

ヨーロッパのツアーバスもスーパーハイデッカーが主体なので地面と床面の高低差は大きいが、少なくとも前扉の出入口階段は、段数は多くなるものの段差は日本の観光バスより小さく、スペース的にも広くなっています。

これらを参考に、観光バス・高速バス車両の乗り降りのしやすさももっと研究されるべきであると考えます。

高速バスにおけるバリアフリー化計画

交通バリアフリー法の施行によって、乗合バスとしての高速バスもバリアフリー対応がなされはじめています。
交通バリアフリー法では高速バスは、低床化の困難な乗降口が前1ヵ所の車両として、基準適用除外にあたります。

日本バス協会では2000年11月に、高速バスの高齢者・障害者の利用促進を図るべく「高速バス等を利用する高齢者・身体障害者等への対応について」を決定しています。

これにともない、法に定められた項目のうち運行情報提供設備等については基準を準用し、前面・左側面(乗降口付近)・後面の3カ所に行先表示を設置し、車外放送設備・車内次停留所の視聴覚情報を設置することとなりました。

「ガーラ」の後面のつくりを、高速バス仕様では行先表示の設置を前提として変更しているバス会社もあります。
ハイデッカー・スーパーハイデッカーでは車両構造上、車椅子対応は従来通り介助者が同行し、折り畳んで乗せる方法に限られます。

二階建バスは1階はノンステップ構造のため、前述のように1階に車椅子スペースを設置し、階段の一部をはずせるようにして80mの通路幅を確保しています。

バリアフリー化に対応している高速バスの特徴

・前扉出入口の階段昇降を補助するためオレンジ色の手摺りを増設しています。
・ヨーロッパのツアーバスの前扉出入口は、ステップを広くとり、段差を小さくした上接地するほどニーリングできます。
・ヨーロッパのハイデッカー中扉は、小段差の広いステップにきめ細かく手摺りがついています。
・スーパーハイデッカーに中扉を設置し、腰掛けて電動で昇降できる斜行式昇降リフトを装備しています。
・後部行先表示の設置のため都市間高速バス仕様は、リヤのデサインを横長1枚窓に変更したタイプになっています。
・車椅子スペースの設置とともに通路幅確保のため、階段の一部を欠き取れるようにした二階建の交通バリアフリー法適合車もあります。
・交通バリアフリー法によって高速バスも後部行先表示が義務付けられました。
 途中停車地では「乗降中」の表示で後方に注意を促すことができます。

小型バス登録車両は、普通免許では運転できない

小型バスから大型バスの種類や特徴、また、運転するうえでの注意点について説明しましょう。

多くの人を乗せ目的地に運ぶバスは、小さなものはハイエースやキャラバンなどのバス仕様の物があります。
それらは、10人乗りで普通免許で運転できるモデルから、2ナンバーの小型バス登録の14人乗りも有ります。
建設会社や工場の通勤車両や、最近では子供も少なくなってきたためか幼稚園バスにも使われています。
2ナンバーの小型バス登録車両は普通免許では運転出来ないため注意が必要ですね。

小型のマイクロバスは、中型自動車(8t)の大きさのバスで乗車定員が11~29名になります。
平成19年の免許改正までは、普通免許で運転できましたが現在では中型免許の限定なしでないと運転できないようになりました。
貴方のお持ちの免許所に中型免許(中型車は8tに限る)と但し書きがあれば運転できません。
マイクロバスをレンタルする時は、運転手の免許にも注意しなくてはいけませんね。

大型バスは、公共交通や観光などで活躍しています。
運転するには、大型2種免許が必要になります。
よく見かける1階建てのリジットバスやイギリスで走っている2階建てバスがあります。
空港などで大量輸送する連結バス、電車のように電線からパンタグラフで給電して動くトロリーバスもあります。
最近では、バスの運転手の成り手も、減少したため運転手の高齢化や女性運転手の進出も多くなって来ています。