工事原価とは、建設業会計で使用される科目です。工事で売り上げを上げるためにかかった費用が工事原価となります。売上から工事原価を差し引いたものが利益です。工事原価は、材料費・労務費・経費・外注費の4要素で構成されます。工事原価管理とは、材料費や外注費といった原価を管理し、コスト改善をおこなうことです。
工事原価管理ソフトのすごく便利な探し方
このページでは各社が取り扱う工事原価管理ソフトのリンクをまとめ、利用者が探しやすくしています。
まずは色々試してみるのがいいものを見つける近道です。
Orris 工事台帳 for Access原価管理ソフト 原価予報士工事原価管理システム プロシード2000工事日報管理システム for Access 2000 フリー版Access2000 工務店向け原価管理「原ちゃん」一発原価くんライト
工事原価管理システム GkWinアクセス工房 工事原価管理システム (フリー版)工事日報 & 原価管理
実行予算書のソフトが見つかる
実行予算書のソフトは、時間と手間を掛けずに手に入れたいものです。
このページでは、実行予算書のソフトのリンクをまとめて紹介しています。
エクセル 工務店管理表実行予算書作成自分のための実行予算 Vol1実行予算書・実行予算作成基準書・工事原価計算書
建設業における工事原価とは
工事原価とは、建設業会計で使用される科目です。工事で売り上げを上げるためにかかった費用が工事原価となります。売上から工事原価を差し引いたものが利益です。
勘定科目としては、完成工事原価と未成工事支出金が使用されます。
完成工事原価は年度中に計上し、未成工事支出金は翌年度に繰り越して計上します。
建設業会計における勘定科目には以下のようなものがあります。
- 完成工事高
- 完成工事原価
- 完成工事総損益
- 未成工事支出金
- 完成工事未収入金
- 未成工事受入金
- 工事未払金
建設業における工事原価の4要素
工事原価は、以下の4要素で構成されます。
- 材料費
- 労務費
- 経費
- 外注費
材料費
材料費とは、工事で使用する木材や鉄材、セメント、鉄筋、ガラスなどを仕入れるためにかかった費用です。
労務費
労務費とは、現場の作業員に支払う賃金や福利厚生費、手当です。
経費
経費とは、工事で発生するさまざまな費用です。
具体的には、以下のような費用が経費として計上されます。
- 設計費
- 水道光熱費
- 通信交通費
- 減価償却費
- メンテナンス費用
外注費
外注費とは、作業を外部業者や企業に委託するための費用です。
建設業における工事原価管理のコツ
数量ベースによる予算管理でコスト縮減
コスト縮減という観点から見た場合、数量ベースによる予算管理を徹底するのも一つの方法です。予算を管理するという意味合いは、コストを削減して利益を増加させる目的が大きいはずです。そこで、コストという金額だけで評価せず、単価と数量で管理を行うという方法があります。
この単価と数量における予算管理を徹底させるには、予算作成および実績収集を行った上で、作業職種による労務歩掛の標準化が大切です。標準化の整備を行うことで、人に対する工数における設定が予算段階からより精度を高められます。
正確な実績歩掛を収集するために、「日報」を標準化する方法があります。実績歩掛は「投入人工数÷施工数量」ではじき出せますので、日報により作業内容別の人工数と実行した施工数量は必ず把握するよにしましょう。
・細かい作業内容や職種などに対する実績を日毎で出面がわかるように設定(時間単位までの細かい日報が理想)
・時間単位で出された数値を、出面作業時間で割り、人工数に換算(※1日単位に対する作業従事人工数を取得でも可)
日報などにより算出された実績歩掛と標準歩掛を比較することで、1人当たりの生産性を検討することができるはずです。こうして収集したデータは大きな財産となります。
どんぶり勘定をなくす
建設業における工事原価管理の工事原価計算は、いわゆる「どんぶり勘定」というのがよく見受けられます。
工事原価計算は工事担当者が施工に関わる品質や工程などから算出されますが、工事現場の優先順位は工事原価計算や工事原価管理よりも「安全」となります。安全は建設業において最も優先されるべきことで、工事台帳やグリーンファイルなどでその確認を行うことは大切です。
しかし、工事台帳だけではなく、工事原価台帳も工事担当者にとっては大切な書類なのです。工事担当者が原価管理計算においてルーズになってしまうのは、建設業における工事原価管理の2つの要因があると見られています。
・外注という科目で工事原価管理している
まず工事原価管理・実行予算書作成について、1つの工事を一括として工事原価計算してしまう、ということです。工事を1つとして計算してしまうため、細かい部分の工事原価管理まで行き届かなくなり、結果としてどんぶり勘定となってしまいます。
もうひとつが、外注という科目で工事原価管理していることです。外注という項目であるがために、どの部分で予算超過を起こしたかなどがわかりにくくなってしまっています。
こうしたことから工事原価管理を行う場合は、工事単位および外注単位という金額の計算を廃止し、数量や労務、経費など要素別に分類を分けて管理していくことがおすすめとなるのです。
工事台帳は終了金額と比較する
工事台帳と同様に工事原価台帳は、工事ごとに作成されるわけですが、工事原価計算により作成された工事原価台帳は、今後の工事原価計算の精度を上げていく資料となります。
しかしながら、工事台帳と異なり工事原価台帳は、比較を行うことでより精度が高い工事原価計算を行うベースとなります。それは、終了した工事金額が結果的に見積もりと大きなズレが発生した場合、見積もりの元となる工事原価台帳が正確ではなかったということになるからです。
工事原価台帳に記載されている材料単価や労務単価および諸経費について、他の工事原価台帳と比較を行い、どの計算が曖昧だったかを検討するのがおすすめだと言えるでしょう。
工事台帳も工事原価台帳と同様に工事ごとに作成される書類ですが、こうした比較・検討を行う部分が工事原価台帳と工事台帳の大きな違いだと言えるでしょう。
協力会社と一体で行う
工事原価管理については、元請けの建設業者だけではなく、下請けとなる協力会社と一体となることで、初めて工事原価管理の成果が得られるとされています。
まずは、実行予算として、元請けの建設業者が実行予算書というのを作成しているはずです。しかしながら、下請け業者いわゆる専門工事業者になると、実行予算書を作成している割合は少なく、見積書すら作成していない場合があります。
見積書と実行予算書は相互関係にあり、より魅力的な見積金額を算出させるためには、実行予算書が明確ではないと根拠とはなりません。しかしながら、建設業においてはまだまだこの見積書と実行予算書の作成が浸透していないのが現実なのです。
また、経費削減に対しても元請けとなる建設業者と協力会社が一体になることが大切です。確かに、経費削減は元請けとなる建設業者には大きなメリットがありますが、下請け業者にはデメリットとなるケースもあります。
そこで、数量を減らしていく体制を整えること、技能工に対する歩掛を改善していくことがおすすめの方法です。技能工の歩掛を向上させた結果、コストを削減および縮減する方法がより具現化されていくのです。技能工に応じた生産性の向上に対する目標を定め、元請企業が協力会社を指導および教育していく方法がおすすめだと言えるでしょう。
工事原価管理ソフト(アプリ)を使うメリット
・工事原価の分析ができ、利益アップに役立つ
工事原価管理ソフトを使うことによって、工事代金の請求や入金状況から外注先への発注・支払まで、お金に関する諸々のことを管理することができます。特殊な計算式がある場合もソフトが対応してくれますので、人に依存することなく管理でき、おすすめです。
工事原価管理ソフトを使うメリットは、社内の様々な部署に分散している情報を統合して把握することが容易になります。それにより、経営判断の指標にすることもでき、結果として利益を向上させることが期待できます。
原価管理ソフトの役割分担と明確化について考えてみた
原価管理は、元請企業としての取組みだけでは決してその成果が上がることはなく、元請企業と協力会社との一体感をもった取組みを行なって、初めて原価管理の成果か上がってくるわけです。
しかし、この両者の役割及びその責任分担か曖昧であると感じられます。
原価管理ソフトのルールを抑え、基準の明確化に取り組む必要があります。
まず実行予算への対応ですが、元請企業においては後述するように必ずしも充分ではありませんが、一応「実行予算書」を作成しています。
技能工の生産性(歩掛)を向上させることにより、建設コストを縮減するということがより具体化するわけです。
それぞれの技能工に対して生産性向上に関する目標を設定しながら、元請企業の工事担当者が協力会社を指導・育成するとゆうことが非常に重要なテーマとなっています。
工事原価計算にはexcel(エクセル)か専用ソフトか
無料でダウンロードできるフリーソフトを管理ツールとして導入するのも良いですが、できるのあでればフリーソフトよりもシェアソフトをおすすめしたいところです。
理由は3つあります。
・excel(エクセル)テンプレートは手軽に使用できる反面、使いこなすための知識が必要(会計知識やエクセルスキル必須)
・データの蓄積という観点から見ると、あまり向いていない
また、実際に無料のソフトを使用すると分かりますが、ツールとしては不十分なソフトだと感じる場合が多いはずです。
業績に直結するデータを取り扱うそして管理するソフトだからこそ、フリーソフトなどの無料のダウンロードツールに頼るのではなく、場合によっては自社独自のシステムを構築するなど、いろいろなサポートが充実しているシェアソフトを導入するようにしましょう。
ただし、サポートツールとして無料のフリーソフトや無料のexcel(エクセル)アドインを利用するのはおすすめの方法です。使用するソフトにメリハリを付けて効率の良い作業を心がけましょう。
フリーソフトとシェアソフトウェアの大きな違い
シェアウェアはフリーソフトに比べて、システムサポートがしっかりしているのもおすすめしたいポイントです。無料のフリーソフトは多くの場合、個人が作成しているソフトです。
そのため、どうしてもサポートやメンテナンスに対してはウイークポイントとなってしまいます。シェアソフトであれば、サポートからメンテナンスそしてアップデートまで、万全のサポート体制で業務をバックアップしてくれるでしょう。
フリーソフトやアプリのシステムではニーズを満たせない場合は、シェアウェアを検討するのがおすすめです。
シェアソフトは無料期間が付属されている場合がほとんどです。まずはソフトをダウンロードして、無料期間にシステムやツールを試してみるのがおすすめです。もし試用期間を超えても使用したいと感じた時に初めて、シェアソフトを購入するという方法が良いのではないでしょうか。
フリーソフト(アプリ)を選ぶ基準
フリーソフト(アプリ)選ぶ基準についてですが、人気があるアプリであっても人気がないアプリであっても特段問題はないでしょう。ランキングで人気があるフリーアプリであれば、導入している現場が多い可能性もあり、多くの建設業者が導入している可能性があるからです。また、人気ランキング上位のフリーアプリの場合、使い方の説明も見つけやすかったり、システムがしっかりとしているものが多いでしょう。
なお、ランキングでフリーアプリを選ぶ時に、気をつける点は、後でexcel(エクセル)で処理ができるなど、パソコンのソフトウェアにシステム的にデータを移行できるアプリを選ぶということです。
スマホのフリーアプリはあくまでも一時的な処理方法だとして、難しい計算や管理に関してはソフトウェアやexcel(エクセル)で本格的に行うのがおすすめです。そのため、ランキング上位でダウンロード人気があるアプリであったとしても、パソコンで使うソフトやツールとの兼ね合いを考えて、ランキングだけにとらわれない本当に使いやすいツールを扱うようにしましょう。
工事原価管理ソフトはインストール型とクラウド型か
工事原価管理を自動化するソフトウェア(アプリ)は、インストール型とクラウド型に大別されます。
インストール型のソフトは、パッケージとして販売されており、パソコンにインストールするタイプで、使用するためにはパソコンが必須となります。また、ひとつのソフトで利用できるパソコン台数が決まっているソフトもあります。一方のクラウド型ソフトは、パソコンだけでなくタブレット型端末からも使用することができるなど、利便性の高さから近年はクラウド型のソフトが人気です。
ソフトで作成したデータは、クラウドで保存しておくと、PCやスマホ、タブレットなどどこからでも閲覧、編集ができて便利です。また、多人数で簡単に共有できます。