工程管理と工程表のレポ、工事工程表を作成する方法

工程を計画するときの注意点と手順

工程表を作成するときの注意点は、客先から指定された工期を守るために、工期を重点として工期を守る工事項目を割り付けた工程を作ってしまうことです。
工程表を作成する初めに、契約した工期に捉われてしまうと、工事項目意図工事内容を把握できないまま工程を作成してしまうため、工期が厳しいのか同化さえ分からない状況に陥ってしまいます。

工程表を作成するときのポイントは、ネットワーク工程表のルール通りに、計算工期を出し、不足や余裕が何日あるかなどを見ることです。

①施工方法を決める

コンクリート工事、電気内装工事でも、つまりどの業種でも、使用機材や施工方法によって、作業日数に直接関わってくるため、まずは、施工方法を決めないと、工程表は作成できません。
また、立地条件や工事環境によって、作業の日数が決まるときもあります。
逆にそのような環境でも決められた作業日数で終えないと全体工事に遅れが出ると分かれば、お金を掛けてでもできる工事方法を選ぶことになります。

②計画の準備

工事計画に必要なものは、施工数量が不明では工程計画ができないため、数量関係が特に重要です。
工事計画に必要なものは、設計図、立地条件、施工時期、施工方法、施工数量、作業能率、労務資材などの詳細な資料が必要です。

工種の拾い出し作業

工程計画の最初の作業が、工種の拾い出しから始まります。どの時点からの作業で、拾い出し方法が異なりますが、普段やっている作業工種から拾い上げていきます。
作業工種を拾い出した順序は、作業工程の順序とほぼ同じになりますが、重複作業などもあるため、ある程度大まかな順序とならざる負えません。

原則として、作業時間がたとえ1時間であっても、工程表には1日として表します。
拾い出す作業の精度は、作業に要する時間よりも作業の重要性を優先させるべきです。
作業時間が例えば10分であったとしても、この作業を終わらせないと後の工程が進まないという場合、非常に重要な単独作業の場合、すべて拾い出しの対象とします。

工種の拾い出しは、根気のいる作業ですが、拾い方が細かくても、拾い出せる工種は実際の2/3程度です。

拾い出しの順序

拾い出す工種には、鉄筋組立のような大きな工種と、スラブ配筋のような細かな工種があります。
初めは大きく拾って行き、目的のところまで行った次に、工事の初めに戻り、細かな工種の拾い出しを行います。
例えば、掘削なら、3通りまで掘削として、同上床付け・敷き砂利固め・捨コンクリート打設・杭頭処理のように拾い出します。

効果的な拾い出しの方法とは、ハード工種とソフト工種に分けることです。
ハード工種とは現場工事で形となって表れる工種すべてであり、仮設工事や運搬、養生などを除く主工種と、仮設工事のような支援工種に分けると、拾い易くなります。

次に、ソフト工種とは、現場事務所でのデスクワークを含め、工場から現場までの材料運搬・現場内の運搬・官庁申請などの現場内外での工種です。

日数見積は人数や工具・材料・猶予日まで検討材料にしなければならない

工程表の時間単位は同じとする必要があり、日か月単位が一般的で、店舖改修などのような場合は、1日24時間での工程表を必要とします。
また、半日のような半端な時間は、1日として作成します。

工程表に現れる作業の所要日数とは、作業にかかる日数ですが、何人で何日かかるかという日数です。
そのため、この場所の作業には何人で作業できるか、1人が1日でやれる作業量、作業に必要な最低人数、使う工具や機械、必要な材料、足場などがどの程度できている必要があるか、などを理解しておく必要があります。

一般的には、所要日数は、工事の総作業量を1つのグループ(極端な場合は一人)がどれだけやれるかという能率から、割り出します。
しかし、1日当たり5人で50m3という数値は、トラブルや天候不順で作業がストップしたという数値は含まれていません。
そのため、ギリギリで所要日数を決めて工程を組むと、予想外のことが起きたときの対応に苦慮することになります。
よって、平均作業量の見積は、慎重を期する必要があります。

工程表が必要な理由

工程遅れの要因として考えられる原因として、以下のようなことが考えられます。

  • 生産能力の不足
  • 稼働率の低下
  • 材料不足

① 生産能力の不足は作業量が増えたり、作業者が不足したりするなどといった要因で発生します。
このようなケースは、協力会社や他の部門からの応援、アウトソーシングなどでカバーするようにします。

② 稼働率の低下は、機械の故障、システムの不具合、ツールのバグ(プログラム上の不具合)、運搬上の問題などが考えられます。

③ 材料不足は発注のミスや材料の到着遅れ、材料の必要量が増えてしまった場合などがあります。

昼間は現場を管理して、夜は工程遅れの原因を解消し、工程表の修正と工事関係者への連絡、と工程管理者の業務は多忙です。

この工程管理の省力化を図るには、工程を工事関係者間で共有し、工程の遅れや修正、進捗などを“見える化”するシステムを構築することが重要です。

ガントチャート・ネットワーク工程表・出来高曲線入り工程表などの特徴

大規模な建設工事に伴って行う土木工事、建築工事のような工事は、開始時期と完了時期が決まっていて、工事の進捗率を常に管理する必要があります。
その管理に用いられるものが、工程管理と進捗管理を行う工事工程表です。
工事工程表の種類には、ガントチャート、バーチャート、ネットワーク工程表、工程表と組み合わせた出来高曲線などがあります。

ガントチャートは工事項目と進捗率の対比、バーチャートは工事項目と日付の対比、ネットワーク工程表は工事項目と互いの関連で何をいつまでにやるか、などのようにして工程管理と進捗管理を行います。
それぞれの工程表では、業種によっては使い易さがありますが、大規模な工事を管理する側では、1つの工程表ではわかる範囲が狭まり、色々な工程表を同時に使って、工程管理と進捗管理を行うことが普通です。

工事工程表には、全体工程表と部分工程表(詳細工程表)があります。全体工程表は、土木工事や建築工事が着工から完成までの工程を示したものです。
部分工程表では、月間工程表や週間工程表のように工事期間を区切って、工事項目が出来高曲線や進捗率でどこまで進んで遅れは何かを把握する工程管理と進捗管理を行う工程表です。
詳細工程表は、さらに業種ごと施工者ごとに実施工程表や作業工程表が作られ、1品ごとの工程管理と進捗管理が行われます。

しかし、工程管理や進捗管理によって工事を管理するには、いかに工事内容を把握して工程表を作成するかが、土木工事や建築工事の遅れやミスをなくし、工事を完了させるかが重要なポイントです。
エクセル(excel)をベースにした、工事工程表を作成する無料のフリーソフトは、人気のあるソフトやアプリ、ランキング上位にあるソフトやアプリなど多数が出されています。

エクセル(excel)特有の、選択ツールや入力ツールも充実し、土木工事・建築工事・電気工事・足場工事など業種ごとのテンプレートも備えられています。
ガントチャート、バーチャート。ネットワーク工程表、出来高曲線を入れた工程表、進捗率を表示する工程表など、作業時間・作業項目・作業日数などの情報を入力することで、工程表を作成します。

それぞれのソフトは比較することで特徴や、入力ツールの使い易さ、テンプレートの多さなどが比較できますので、ダウンロードして使ってみることをおすすめします。
また、システム化した工程表作成ソフトウェアも各社から出され、一部は、機能制限を設けても無料のフリーのソフトとしてダウンロード可能です。
ダウンロードして使ってみて、機能を比較しさらに機能が必要ならば有料版に乗り換えることもでき、一度使ってみることがおすすめです。

工程表を作成する方法

工程表を作成する方法は、PERT手法とCPM手法とを合わせたシステム。工事の進捗段階で、余裕のない経路が発生した場合は、クリティカルパスをもとにした重点管理が求められます。
相互作業の関わり、作業順序、施工時期、重点管理を要する作業などを確実に把握できます。

ネットワーク式工程表は、横線式工程表と比較して、工程表の作成に費用と労力がたくさんかかります。
PERTは時間を対象にした手法で、CPMは費用を表す手法です。ネットワーク式工程表ができたころは、用語も手法も違ったものでした。

最遅完了時刻とは

最遅完了時刻は、決められた工期で作業を完成するために、各作業が完了しなければいけない時刻です。
作業日報・現場日報・業務日報、エクセル(excel)、工事日報、作業員名簿、書式様式、電子日報、工事日誌、全建統一様式書類などのテンプレート・フォーマット・ひな形(雛形)やフリーソフトが、無料でダウンロードできます。

余裕日数フロートについては、総余裕日数T・Fをもつ先行作業が日数を使ってしまった場合、後続作業は最早開始時刻で始めることができないケースがあります。
後続するアクティビティが、最遅開始時刻で始まる際の余裕時間です。作業の最早開始時刻は、作業が最も早く始められる時刻です。

トータルフロートでは、先行するアクティビティが最早開始時刻で始まります。
全建統一様式による作業員名簿・個人票の作成、事業所ごとの労働者名簿の管理、社員住所録の印刷など、作業員名簿のソフトです。

自由余裕日数フリーフロートとは、後続する作業の最早開始時刻に影響しない範囲で、作業が使用することができる余裕日数をいいます。
作業の結合点を結んだ経路をクリティカルパスといい、ネットワーク図中に太線で表します。

クリティカルイベントとは

余裕のない結合点を、クリティカルイベントといいます。
出勤簿、勤怠管理、フリーソフト、マクロ、工程表、建設現場工事、現場作業員CADデータなど、作業日報・現場日報・業務日報・土木工事日報・建築工事日報・作業員名簿のテンプレート・フォーマット・ひな形(雛形)のフリーソフト集です。
無料でダウンロードができます。
クリティカルパスは、余裕のない結合点を通ることになります。

クリティカルパスは、ネットワーク図で各作業の余裕を計算すると、トータルフロートが0となる作業ができるシステムです。
日程計画と作業日報について検討が必要になります。最早完了時刻は、最も早く作業を始めた際の、作業の完了時刻をいいます。

日程計画で重要なのは、トータルフロート、作業時刻、余裕日数、クリティカルパスなどを考慮して、作業日報を作成することです。
結合点時刻、イベントタイムについて、最遅結合点時刻と最早結合点時刻の差を、余裕スラックといいます。

作業員名簿・車両届・持込機械使用届の作成、年齢や経験年数の自動計算、建設業の安全衛生管理書類などの作業員名簿のフリーソフトやテンプレート・フォーマット・ひな形(雛形)です。
無料でダウンロードができます。最遅開始時刻は、工期を延長することなく作業を完成させることができる、最も遅く始めた最後の時刻をいいます。

工事に合った運用しやすいエクセル工程表を見つけましょう

こんなにあった、土木建築工事にエクセルの工事工程表を導入するメリット

工事工程表の導入は、前後工事の周知、工期短縮に繋がる

日程や期限を明確にしたエクセルの工事工程表は、工期短縮やコスト削減に大きく貢献できます。様々な有料や無料ソフトがある中、工事に合った運用しやすい工程表を見つけましょう。

工事工程表のタイムリーな変更で遅延なし

突発的な工程変更があったとしても、使い慣れたエクセルなら簡単に変更が可能です。
専任の施工管理者でなくても、工事工程表の作図ができ、遅延なく工事変更に伴う処理が完了します。

土木建築工事の工程表の問題点

土木や建築工事は、施工方法・工事手順・工期などの変更が多い、季節や天候に左右される、工事作業の内容が煩雑で管理しづらい、工事内容によって長期と短期工事がある、などの問題が挙げられます。

Excel版の工事工程表を導入することで生まれるメリット

全体の工程表の他に、それぞれ工事内容に合せた工事工程表を作ることができます。
簡単にカスタマイズできるのも、エクセル版工程表の特徴の一つです。誰でも簡単に操作や作図が可能です。

工事工程表作成にはエクセルテンプレートがおすすめ

先にも少し触れましたが、工程管理や進捗管理に取り入れる工事工程表・作業工程表は、エクセルテンプレートがおすすめです。

工程管理に利用できる工事工程表ソフトには、シェアソフトやシェアアプリといった有料のソフトウェアはもちろん、フリーソフトやフリーアプリもあります。

工事工程表ソフトを比較する時は、そのソフトのシステムツールが使用しやすいかというのは非常に重要なポイントです。
それぞれの工事工程表ソフトのシステムツールを実業務で使用して、作業に弊害がないか比較する良いでしょう。

有料の工事工程表ソフトの場合、無料期間が設けられているものもあります。
ただし、無料期間に使用できるシステムツールは限られている場合があります。

無料期間で使用できるシステムツールだけでもテストして、従来の工程管理に支障がないかチェックするようにしましょう。
そして、無料期間を超えても使いたいと考えた場合は、使用料金を支払い無料制限を解除して使用しましょう。

有料の工事工程表ソフトだからといって、システムツールが使いやすいとは限りません。
無料の工事工程表ソフトやエクセルテンプレートとの併用など、複数の工事工程表ソフトを有効活用してしようするのもおすすめです。