建設作業員におすすめ!重機・建機の操作・運転に必要な資格

建設機械と免許資格

土木、建設、運搬作業などに用いられる重機を運転するためには、作業する内容や重機に合わせた資格が必要です。また、重機・建機を公道で運転するためには、車両総重量・最大積載量に応じた運転免許が必要になります。

この記事では、重機・建機の操作・運転に必要な資格をご紹介します。

重機・建機の操作に必要な資格 その1

土木、建設、運搬作業などに用いられる重機を運転するためには、作業する内容や重機に合わせた資格が必要です。資格には、以下のようなさまざまなものがあります。

  • フォークリフト運転者
  • ショベルローダー等運転者
  • 車両系建設機械運転技能者
  • 不整地運搬車運転者
  • 高所作業車運転者
  • 移動式クレーン運転士
  • クレーン・デリック運転士
  • 玉掛技能者
  • 揚貨装置運転士
  • 締固め用機械運転者
  • 巻上げ機運転者
  • ボーリングマシン運転者
  • 非自走式基礎工事用建設機械運転者
  • ゴンドラ操作者
  • 建設用リフト運転士
  • ジャッキ式つり上げ機械運転者
  • 軌道装置動力車運転者
  • 研削といし取替試運転作業者
  • チェーンソー作業者

代表的な重機・建機の操作に必要な資格についてご紹介します。

車両系建設機械運転技能者

車両系建設機械運転技能者とは、労働安全衛生法で定められている、3トン以上の車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転・操作が認められた作業者に与えられる国家資格です。

労働安全衛生法では、3トン以上の車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転は、運転技能講習を修了した者でないと、業務に就かせてはならないと規定されています。

車両系建設機械運転技能者の資格を取得するには、車両系建設機械運転技能講習を受講し、学科終了試験と実技終了試験に合格する必要があります。

講習終了者には技能講習修了証が渡され、機械を操作するときは常時携帯することが必要です。講習会の終了が資格取得の条件なので、ほとんど取得できると考えて良いでしょう。

講習は下記の3つの区分に分かれています。

・車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
・車両系建設機械(解体用)運転技能講習
・車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習

資格を取得することで運転できる建設機械は以下の通りです。

整地・運搬・積込み用及び掘削用 ブル・ドーザー、モーター・グレーダー、トラクター・ショベル、ずり積機、スクレーパー、スクレープ・ドーザー、パワー・ショベル、ドラグ・ショベル、ドラグライン、クラムシェル、バケット掘削機、トレンチャー、ミニショベル、油圧ショベル、大型油圧ショベル、ホイールローダーなど
解体用 ブレーカ(アタッチメント機械)、鉄骨切断機、コンクリート圧砕機、解体用つかみ機など
基礎工事用 くい打機、くい抜機、アース・ドリル、リバース・サーキュレーション・ドリル、せん孔機(チュービングマシンを有するものに限る。)、アース・オーガー、ペーパー・ドレーン・マシンなど

車両系建設機械運転技能講習の概要

日程
全国都道府県各地で、いつでも受講可能
受講資格 18歳以上
受講区分 ・車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
・車両系建設機械(解体用)運転技能講習
・車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習
受講内容 学科の講習内容は、以下の通りです。合計13時間の講義が行われます。

・走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識:4時間
・作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識:5時間
・運転に必要な一般的事項に関する知識:3時間
・関係法令:1時間

合格基準 講習後の修了試験に合格
修了試験 学科講習後に学科修了試験が実施されます。学科に合格すると、実技講習です。実技講習後に実技終了試験が行われます。合格率は公式の発表はありませんが、ほぼ100%と言われています。

 

車両系建設機械運転技能者とは?試験の難易度・合格率・勉強法・過去問・解答速報をご紹介!
車両系建設機械とは、建設現場で整地・運搬・積み込み・掘削などを行う建設機械です。整地・運搬・積み込みを行う機械には、ブルドーザー、トラクターショベル、モーターグレーダーなどがあり、掘削用機械には、パワーショベル、バックホウ、ドラグライン、

重機・建機の操作に必要な資格 その2

移動式クレーン運転士

移動式クレーン運転士とは、つり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンを運転するために必要な資格です。ユニック車に設置されているクレーンを操作する場合にも、移動式クレーン運転士が必要になります。

吊上荷重3t未満の移動式クレーンの場合には、下記の講習を受講することで操作できます。

  • 小型移動式クレーン運転技能講習
  • 移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育

クレーン・デリック運転士

クレーンデリック運転士は、労働安全衛生法に基づく国家資格となっています。 吊り上げ荷重が5トン以上の天井クレーンやジブクレーン、ガイデリックなどの各種クレーンを運転するには、 免許が必要となります。 この資格により、つり上げ荷重が5トン以上の天井クレーン、橋形クレーン、シブクレーン、ガイデリック、 ステフレッグデリック、ジンポールなどの各種クレーン、デリックを操作することができます。

クレーン・デリック運転士の資格には、以下の3種類があります。

クレーン・デリック運転士(限定なし)
クレーン・デリック運転士(クレーン限定)
クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定)
「限定解除」試験に合格することで、各免許の限定を解除することができます。

移動式クレーン運転士は、安全衛生技術試験協会主権の、移動式クレーン運転士試験の筆記試験と実技試験に合格する必要があります。合格後に免許証が交付されます。

直接試験を受験することも可能ですが、学校や教習所に通って試験を受ける方法が一般的です。学校や教習所で試験を受ける場合は、実技試験が免除されるため、学科試験のみに合格すれば免許を取得できるからです。(自動車普通免許を取得する場合と同様)

クレーン・デリック運転士試験の概要

日程 約月1回
試験会場 北海道、宮城県、千葉県、愛知県、兵庫県、広島県、福岡県の安全衛生技術センター
受験料
  • 学科試験 6,800円(非課税)
  • 実技試験 11,100円 (非課税)
受験資格 受験資格はなく誰でも受験することができます。ただし、本人確認証明書の添付が必要です。
合格基準
  • 筆記試験:40問中60%以上の得点、かつ4つの分野の最低得点が40%以上必要
  • 実技試験:減点の合計が40点以下
合格率 学科試験が約61%、実技試験が約49%
クレーン・デリック運転士とは?免許試験の難易度・合格率・勉強法・過去問・解答速報をご紹介!
クレーンデリック運転士は、吊り上げ荷重が5トン以上のクレーン及びデリックを運転するための資格です。クレーンデリック運転士の資格を取得するには、安全衛生技術試験協会が主権しているクレーン・デリック運転士試験の筆記試験と実技試験に合格する必要が

玉掛技能者

玉掛け技能者とは、重量1トン以上の玉掛をする際に必要な資格です。ワイヤーロープである玉掛け用具を用いて、クレーンなどの吊り具に重量物を掛けるときに資格が必要になります。重量物を引き上げ移動することは日常的に起きる建設現場では、必須の資格と言えるでしょう。

玉掛け技能者になるには、国が指定した教習機関で実施されている玉掛技能講習会の受講が必要です。学科・実技ともに講習内容の習熟の確認として最後に修了試験が行われ、それに合格することで資格を取得することができます。講習は18歳以上であれば誰でも受験することができます。

玉掛け技能講習の概要

日程 月1回から2回実施
受講料 一般社団法人 労働技能講習協会:受講料 22,140円  テキスト代 1,680円  計23,820円(税込)
受講資格 18歳以上
学科講習
  1. クレーン等に関する知識
  2. クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識
  3. クレーン等の玉掛けの方法
  4. 関係法令
  5. クレーン等の玉掛
  6. クレーン等の運転のための合図
実技講習 玉掛技能講習の学科が終了すると実技講習に入ります。実技講習の内容は、クレーンの玉掛に6時間、合図のやり方などに1時間の実技講習です。
修了試験 実技の講習が終わってから、修了試験として、玉掛と合図の実技演習が行われ、採点後に学科試験の得点と合わせて、玉掛技能者試験の合否が分かります。

 

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玉掛技能者の資格は、建設現場では必須の資格です。ワイヤーロープである玉掛け用具を用いて、クレーンなどの吊り具に重量物を掛けるときに資格が必要になります。重量物を引き上げ移動することは日常的に起きる建設現場では、必須の資格と言えるでしょう。玉

重機・建機の操作に必要な資格 その2

揚貨装置運転士

揚貨装置運転士は、労働安全衛生法施行令で就業制限が設けられている、制限荷重5トン以上を含め全ての揚貨装置を運転・操作することができる、労働安全衛生法に定められた国家資格の一つです。

揚貨装置とは、船舶上に設置されたクレーン又はデリックのことです。揚貨装置は、重量で5トン以下と5トン以上の装置に分けられます。揚貨装置運転士は、5トン以上の揚貨装置の運転士で、揚貨装置運転士試験に合格すると運転士としての免許が交付されます。

また、同じ船と陸の上でクレーンやデリックで荷物をやり取りする場合、陸側にクレーンやデリックを設置して運転する運転士は、クレーンやデリックの運転免許で運転が可能です。

揚貨装置運転士の場合は、船の揺れなどでバランスが崩れても、バランスを取って船舶上のクレーンなどを操作できる運転士のため、揚貨装置運転士試験で合格した人だけが運転できるわけです。

揚貨装置運転士試験の概要

受験資格 制限なし
試験内容 学科試験(2時間30分)
・揚貨装置に関する知識 10問(30点)
・関係法令 10問(20点)
・原動機及び電気に関する知識 10問(20点)
・揚貨装置の運転のために必要な力学に関する知識 10問(30点)
実技試験
・揚貨装置の運転
・揚貨装置の運転のための合図
合格基準 学科試験
総得点が満点の60%以上の得点率 かつ 各科目が満点の40%以上の得点率。
実技試験
減点の合計が40点以下。
揚貨装置運転士とは?試験の難易度・合格率・勉強法・過去問・解答速報をご紹介!
揚貨装置とは揚貨装置とは、船舶上に設置されたクレーン又はデリックのことです。揚貨装置は、重量で5トン以下と5トン以上の装置に分けられます。揚貨装置運転士は、5トン以上の揚貨装置の運転士で、揚貨装置運転士試験に合格すると運転士としての免許が交

重機・建機を公道で運転するために必要な免許

重機・建機を公道で運転するためには、車両総重量・最大積載量に応じた運転免許が必要です。

運転免許 最大積載量 車両総重量
普通自動車免許 3t未満 5t未満
中型自動車免許 6.5t未満 5t以上11t未満
大型自動車免許 6.5t以上 11t以上

ただし、公道を運転しない場合には、上記の免許は必要ありません。

また、重機・建機の操縦は、上記の免許で行うことはできません。